
第10日:2003.07.21(月)
今日の行程:シェーブル〜モン・ペルラン〜ロマンモティエ〜ラ・キュール(泊)
作成日:2004.05.22
シェーブルの朝 ![]()
7:00起床。曇っているのかと思っていたらヴェヴェイ方向で雷が鳴っていて雨が降ってきた。まだ夕べの雷が残っているのか・・・。部屋から見るレマン湖は残念ながら鉛色の空を映して鈍いねずみ色に染まっている。雷の鳴る方向を見ると雨が強く降っているようで、そこだけ湖面まで雲が下りているように見える(左上の写真)。
7:55から1階の朝食堂で朝食。フロントの脇にある朝食堂はあまり広くなく、うちが行った時には誰もいなかったが、しばらくしたらマダムがやってきて挨拶をしていった。朝食はクロワッサンにシリアル、ヨーグルト、オレンジジュースで3ツ星にしては種類が少ない。夕べの食事もそうだったがあまり食事に力を入れている感じはしない。食事の間に雨が止んだ。
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8:45に部屋に戻って出発の準備をして9:50にチェックアウト。フロントにいるさっきのマダムに夕食の件を話したら、何を食べても飲んでも、デザートも2食付の料金に含まれているんだって・・・。先に言えよ!夕べのお姉ちゃんはそんなこと言わなかったぞ!メニューの中から選べって言っただけじゃないか。その前に英語苦手そうだったし・・・。このホテルのシステムがわかっても今更仕方が無い。
駐車場から車を移動させてきて荷物を積み込んで(左上の写真)10:05に出発、20℃。ホテルの前の道をローザンヌ方向に少し行ったところにシェーブルの集落の標識がある(右上の写真)のでその写真を撮りに行く。
今日のルート
シェーブル〜ヴェヴェイ ![]()
標識の先でUターンして再びホテルの前を通り過ぎる。高速の出口から来る道に突き当たって右折してシェーブルの中心部(左上の写真)を抜ける。夕べ来たシェーブル駅を右に見て大きく右にカーブをして国鉄のガードをくぐる。この路線はヴェヴェイからシェーブルを経由してベルン〜ローザンヌ間の幹線にあるピュイドゥー・シェーブル Puidoux-Chexbresを結んでいて、「ワイン列車 Train des Vignes」と呼ばれている。
大きく左にカーブをするとレマン湖を右下に見下ろす眺めのいい道になる。ヴェヴェイ街道 Route de Veveyと名付けられた道はセンターラインもない狭い道(右上の写真)だが、ブドウ畑の間を左右に曲がりながらレマン湖と小さな集落やブドウ畑を見下ろしながら下っていく。
やがて右前方にヨットハーバーが見えてくると湖畔を走る国道9号線に突き当たる。左折して国道9号線に入るとすぐにコルソー Corseauxの集落に入る。コルソーから家並みが切れないまますぐにヴェヴェイ Veveyに入っていく。
右手にネスレ本社の銀色の建物が見えるとロータリーに突き当たる。左折して国鉄幹線とピュイドゥー・シェーブルへの支線のガードを連続でくぐると左手にモン・ペルランへ登るケーブルカーの駅が見えてくる。左折して駐車場に車を停める。10:20到着、6.6km、21.5℃。
ヴェヴェイ〜モン・ペルラン ![]()
駐車場の隣にはピュイドゥー・シェーブルへの支線のヴェヴェイ・フニ駅 Vevey-Funiもあって、駐車場は国鉄とケーブルカー利用者と共用になっていた。ケーブルカーの乗り場は道路を挟んで駐車場の向かい側にある(左上の写真)。
1998年にヴェヴェイに立ち寄った際にジュネーヴまで高速を利用するためにこの前を走っているのにそのときはこのケーブルカーの存在を知らなかった・・・。横断歩道を渡って乗り場に向かう(右上の写真)。駅前はヴェヴェイからモントルー、シヨン城を経由してヴィルヌーヴへ行くトロリーバス1系統の終点になっている。
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窓口でモン・ペルランまでの往復の切符(CHF11×3)を買って乗り場に行く。このケーブルカーは日中は20分間隔で運行していて、次の便は10:40発だ。真っ赤な車体には正面に「モン・ペルラン」の文字と右端に頂上に立つ電波塔の「プラン・シエル Plein Ciel」と書かれたステッカーが貼ってあった(左上の写真)。車体の側面にはシャルドンヌの銘柄で有名なワインの産地らしく大きな太陽の絵と「アペラシオン(原産地呼称)・シャルドンヌAppellation Chardonne」の文字が書かれている。
乗客は3,4人ほどで、ガラガラで定刻どおり10:40に何の前触れも無く出発した。すぐにネスレ本社の建物の向こうにレマン湖の湖面が見えてくる。遠くにはダン・デュ・ミディも見えている(右上の写真)。
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すぐに次のコルソーの駅が見えてくるがそのまま通過する。ヴェヴェイ市街地のすぐ上にはブドウ畑が広がっていて線路の両側まで迫っている(左上の写真)。
次の無人のボー・シット駅 Beau-Siteを通過すると高速9号線の上を跨いでいく。高速の先が中間点で、上から下りて来る車と交換する(右上の写真)。
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シャルドンヌ Chardonneには駅舎(左上の写真)があって、ここで停車する。何人か降りて行った。乗り降りが終わるとすぐに発車する。
シャルドンヌの先で林の間に入り視界が利かなくなる。短いトンネルをくぐると終点のモン・ペルラン Mont Pèrelinに到着。11分間の短い旅だ。転げ落ちそうなくらい急な階段を上って上から見下ろすと、本当にまっ逆さまに落ちていきそうな角度でケーブルカーが停まっていた(右上の写真)。10:51到着。
モン・ペルラン Mont Pèrelin(810m) ![]()
駅の外に出るとハイキングの道標があって、ここの標高は810m。モン・ペルランの本当の頂上までは1時間と書いてある。そんな心構えもしていなかったので、とりあえず駅周辺を歩く。ここには天皇陛下も泊まられたことがある「ル・ミラドール Le Mirador」という5ツ星のホテルもある。
駅を出て右手には駐車場があり、キャンピングカーも停まっていた。上手から見る駅舎は結構モダンで花で飾られていてきれいだ(左上の写真)。駅舎の上階は普通の住居になっているようだった。
そのあとケーブルカーから左手に見えた教会へ行ってみる。ホテル・ル・ミラドールへ向かう道のもう一本下の道が教会へと続いている。白壁に茶色い屋根のシンプルな教会は中もシンプル(右上の写真)だった。
教会からいったん駅に戻って駅の上の道を左手に少し歩いていくと歩道が広くなっているところがあって、展望テラスになっている。銅製のパノラマガイドも設置してありそこからはレマン湖とまわりのアルプスの景色が一望できる(上の写真)。
まだ雨が降っているところがあるようで上空から湖面に雲が垂れ下がっているところがあるが、教会の塔の向こうにダン・デュ・ミディ Dents du Midi 3,257mも見えている。パノラマガイドによると天気のいい時には教会の塔の上の一番山がくぼんでいるところ(ローヌ谷)の奥にグラン・サン・ベルナール峠の東にあるモン・ヴェラン Mont Vélan 3,731mも見えるらしい。他にもレザン Leysinの背後のトゥール・ダイ Tour d'Aï 2,331mやその左に高山植物園のあるロシェ・ドネー Rochers de Naye 2,042mも見える。
11:20発のケーブルカーで帰ろうと思っていたら直前で乗れなかったので、次のケーブルカーを待つ間に道路を挟んで駅の向かいにあるスーパーに行ってミネラルウォーターなどを買う。11:40発のケーブルカーでモン・ペルランを後にする。
モンペルラン〜ヴェヴェイ ![]()
無人駅で降りる人はどうするのかと思っていたら、先に乗っていた家族連れの小さな子供がドアの脇にある「停車」ボタン(左上の写真)をいたずらしているのを見て、このボタンを先に押しておくのかと分かった。
帰りは途中のシャルドンヌ駅の他に子供がいたずらしたので終点の手前のコルソーにも停車した。11:51ヴェヴェイ到着。到着にあわせるようにして駅前からトロリーバスが出発していった。
車に戻って出発する前に駐車場の隣のヴェヴェイ・フニ駅の写真(右上の写真)を撮りに行く。写真を撮っていて気が付いたのだが、ここからもホテル・ル・ミラドールのオレンジ色の屋根や先ほど行った小さな教会が見えていた。
ヴェヴェイ〜ロマンモティエ ![]()
12:02に出発する。気温は25.5℃で朝よりだいぶ蒸し暑くなった。駐車場を右折で出て、すぐにケーブルカー駅前を左折してビュルへ向かう国道12号線の坂道を上っていく。通りにはシャテル・サン・ドゥニ通り Route Châtel-St.-Denisという名前が付けられている。
途中でシャテル・サン・ドゥニからビュルへ向かう国道12号線は左に分かれていく(左上の写真)。そのあとヴェヴェイ川 La Veveyseを高い橋で渡る。右手にはヴェヴェイ市街とレマン湖、対岸の2,000m級の山が見える(右上の写真)。
ヴェヴェイ市内から上ってくるもう一本の道に突き当たるロータリーで左折すると高速9号線のヴェヴェイの入口がある。
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高速9号線は左手にレマン湖を時折見下ろしながら右に左に緩やかなカーブが続く快適な道だ。すぐにモン・ペルランのケーブルカーの線路の下をくぐり、昨日下りたシェーブルの出口を通過する。
少し長めのトンネルを通過する。トンネルのところだけ最高速度が130km/hから100km/hに制限される。再びブドウ畑とレマン湖が見える(左上の写真)とサービスエリアの標識が出る。トイレに行きたくなったのでサービスエリアに寄っていくことにする。サービスエリアの名前はラヴォー Lavauxだ(右上の写真)。12:17到着、23.5km、23.5℃。
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12:24に出発する。ローザンヌが近づき車の量が増える。道路も2車線から3車線に広くなる。オリンピック・スタジアムがあるローザンヌ・ブレシェレット Lausanne-Blécherette出口(左上の写真)を過ぎるとベルン、ジュネーヴなどの分岐の案内が出てくる。
まもなくジュネーヴに向かう高速1号線と分かれてベルン、ヌーシャテル、イヴェルドン方向に分岐する。方向的にはこちらが右に、ジュネーヴ方向が左なのだが、実際はこちらが一番左側の追い越し車線からそのまま直進する感じで分岐していく(右上の写真)。ジュネーヴ方向は右に大きくカーヴしてから左に90度曲がって本線に合流していく。
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こちらの高速1号線は交通量が少なく、両側の牧草地の間をほとんどまっすぐに走る。すぐに「ジューの谷 La Vallée de Joux」や「3つの谷 Les 3 Vallons」の看板が出てくる。
分岐から2つ目のラ・サラ La Sarrazで高速を下りる(左上の写真)。森の中を大きく左右左とカーブしながら下っていくとエクルパン・ガール Eclépens Gareの集落に入っていく。集落と入っても駅と引込み線を持つ大きな工場しかない。イヴェルドンへ抜ける国鉄のガードをくぐって工場を右手に見ながら進むと前方にもう一つ線路が見える。フランス国境のヴァロルブへ向かう線で、ちょうどフランスのTGVが上を通過していった。
エクルパンの本当の集落を過ぎると次はお城のあるラ・サラ La Sarrazの町だ。駅前を通過すると前方にお城の一部が見えてくる(右上の写真)。国道9号線に突き当たって右折する。
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ラ・サラと続くポンパプル Pompaplesの集落を過ぎると周囲は一変して荒涼とした景色になり、遠くにはジュラ山脈が見える(左上の写真)。右手には眼下に平原が遠くまで見渡せる。
大きなカーブをいくつか上って道がようやく平らになるとようやくロマンモティエの案内が出てくる。いったん右折してぐるっと回って国道と並行する国鉄を一跨ぎするとクロワ Croyの集落だ。鉄道で来る人はこのクロワからロマンモティエまでバスが出ている。
小さなクロワの集落を抜け森の中の寂しい道を行くと、クロワから1qほどで目指すロマンモティエの集落が現れる(右上の写真)。駐車場が400m先というので標識に従って集落の中を抜ける。左手にあるのが修道院だ。
あと150mという標識から坂道を上っていくと集落を抜けてしまった。ロマンモティエはこのわずか300mほどのメインストリートに沿った小さな集落なのだ。坂を上ったところに広い駐車場があった。12:53到着、61.8km、23.5℃。
ロマンモティエ Romainmôtier ![]()
駐車場から通り過ぎてきた修道院にまで歩いていく。駐車場のすぐわきに「ロマンモティエ」の集落の入口の標識があって、その向こうには谷に埋もれるようにして修道院の薄いオレンジ色の尖塔が見えていた(左上の写真)。木々の間から見える姿はまさに秘境といった感じ。
坂道を下っていって道なりに右に曲がって小さなノゾン川 Nozonを渡る。橋のたもとの泉はゼラニウムの鉢できれいに飾られていた。時間が止まってしまったかのような集落の中はとても静かで(右上の写真)、他に歩いている人もいない。
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右手の「オテル・オ・リュトナン・バイイヴァル Hôtel Au Lieutenant Baillival」の先が小さな広場になっていて、広場に面して14世紀に建てられた時計塔 Tour de l'Horlogeがある(左上の写真)。広場の片隅にはPTTのバス停もあって、クロワ・ロマンモティエ駅からのバスはここに到着する。塔門をくぐると中庭のようになっていて、正面に修道院の入口がある(右上の写真)。
この修道院は紀元450年頃にロマンという修道士によって開かれたッスイス最古の修道院と言われている。その後928年にフランスのクリュニー修道院に寄贈されてクリュニー派の修道院となった。
今の建物は1000〜1030年に建設されたもののようだ。ヴォー州一帯がベルンに征服されたことで1537年には改革派の教区教会になった。
13世紀に付け足された入口を入ると11〜12世紀に建てられたホールがある。ホールから階段を降りると10〜11世紀に建てられた部分になる(左上2枚の写真)。
内部はアーチを石柱が支えていて、天井と明り取りの窓の縁には彩色が施されている。正面の祭壇の脇には小さな礼拝堂もあって小さな祭壇は花で飾られていた。ちょうどパイプオルガンの演奏の練習をしている人がいて、聖堂内にオルガンの音が響き渡っていた。
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外へ出て右手(塔門から見ると左手)に回ってみる。塔門のすぐ脇にロマンモティエ小教区文化センター Centre Paroissial et Calturel de Romainmôtierがあって、中に入ると修道院が時代とともに建て増されていく様子が模型とともに解説されている。これらの聖堂を取り囲むようにして建つ建物は城壁の役目をしていたようだ。
さらに聖堂との間の道(左上の写真)を歩いていくと教会の祭壇部分の後ろ側に回れるようになっている(右上の写真)。大木が生い茂っていてとても歴史を感じさせる。
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そのままぐるっと回ると回廊の中庭 Cour du Cloîtreと呼ばれる中庭に出る(左上の写真)。ベルンに攻撃される前は回廊や修道院僧たちの住居があったようで、建物の礎石が残っている。中庭の奥には今はカフェになっている昔の修道院長の館 Maison du Prieurがあって。ここだけ観光客の姿が見られた。中庭の奥から見た修道院の建物は天を突き刺す鐘楼が聳えているせいか、とてもどっしりとした風格があった(右上の写真)。
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お昼もだいぶ過ぎているのでここで食事をしていくことにする。とは言っても選べるほどお店があるわけでもない。時計塔の向かいにお昼の定食メニューを出したレストランがあったのでそこに入る(左上の写真)。
お店の名前は「サン・ロマン St. Romain」で、ホテルとレストランを兼ねている。中はとってもアンティークな雰囲気で、昔のロマンモティエの写真も飾ってある。おっかない顔のマスターもとても親切で、お店に入った時にはテーブルがセットされていなかったが、席に着くとすぐにテーブルクロスをセットしてくれた。
メニューが読めないが、表にあった今日の定食3つというのは理解してくれて、すぐにナイフとフォークを持ってきた。他にビールと水を頼んだ。今日の定食は大盛りのサラダとゲシュネッツェルテスにポンフリとトマト添え(右上の写真)で、味を期待していたわけではなかったのだがとても美味しかった。
食事中にちびたが壁にあるボタンに興味を示してさかんにイタズラする。それは呼び鈴で、そのたびに厨房に中でリンリンという音が鳴る。3回くらい鳴らしたらマスターに指でチッチッチ!とやられてしまった・・・。
食後に休憩していたら、奥のテーブルでイタリア人と話していた女性が一緒に会計のためにそばを通った。ふと見ると日本人の女性で、向こうもこんなところで日本人に会うのに驚いたらしく、お互いに挨拶する。その女性はバーゼルにお住まいで、教会のピアニスト(オルガニスト)?をされていて、今日はここまで演奏しに来られたとか・・・。
会計(全部でCHF65.50)を済ませてお店を出て、お店の写真や目の前の泉の写真を撮る。すぐそばにはカヴォーと書かれた建物もある。その建物には公衆トイレもあり、建物の前には絵地図も掲示されていた。隣は役場の建物らしく、ロマンモティエの旗と憲兵隊の旗が掲げてあった。
駐車場に戻ろうとすると、さっきのイタリア人の男性が駐車場に向かってうちの前を歩いていた。
ロマンモティエ〜ラ・キュール ![]()
車に戻って15:00に出発。25℃。来た道を戻る前に、駐車場から次のジュリアン Juriensの集落の方向に100mほど進むとロマンモティエの集落を見渡せるポイントがある(左上の写真)。ロマンモティエは本当に小さな集落だと改めて感じる。
Uターンして集落の中を抜けてクロワから来た道に合流する。最後にもう一度修道院を振り返って見る(右上の写真)。元スイス観光局の鈴木光子さんがその著書「ジュネーブとレマン湖地方(日経BP社)」の中でロマンモティエで最も美しいと賞賛した景色がそこにあった。
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クロワで国道9号線に戻って北上する。正面にル・シュシェ Le Suchet 1,588mのなだらかな山容を見ながら走る(左上の写真)。左手は国鉄の線路がずっと寄り添っている。ブレトニエール Bretonnièresを過ぎると右手のオルブ川が作る谷が深くなり、対岸にフランス国境に向かう高速9号線の高架橋が見えるようになる。前述の鈴木光子さんが「スイスとっておきの旅便り(JTB)」の中で「ジュラ地方は山の高さもせいぜい1,300m前後。」とコメントした写真と同じ景色が見える。
前を走る牧草を運ぶ大型トラックに追いつくがカーブが多くてなかなか追い越せない。それにしても大きなトラックだ。スピードも出ないようで、時速40km/hくらいで走っている。短い直線区間でようやく追い越す(右上の写真)と、山の中のル・デイ Le Dayの駅の脇を通過してヴァロルブに向かって下っていく。
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ヴァロルブ Vallorbeはフランスとの国境の町で、ル・モン・ドール Le Mt-d'Or 1,461mのふもとの町だ。町の中でオルブ川 l'Orbeを渡って一方通行で坂道の多い町の中を抜ける(左上の写真)。国境へ向かう国道から左折して駅の下を通過するとヴァロルブの町を抜ける。
この先にオルブの泉 Source de l'Orbeというオルブ川の水源や洞窟 Grotte de l'Orbeがあり、案内標識が出るがやっぱり気にかけていた雨が降り出した。今日はもうホテルにチェックインするだけなので、雨さえ降っていなければ寄ってみたいところなのだが・・・。
道は集落を出ると森の中を一気に上っていく。途中ジュラ・パーク Juraparcという野外動物園兼バーベキュー場のような施設があって、狼やクマ、野牛などを飼っているらしい。
ジュラパークを過ぎると小さなモン・ドルゼール峠 Col du Mont d'Orzeires 1,061mを越えて、眼下に小さなブルネ湖 Lac Brenetが見えてくる。晴れていればきれいなのだろうけれども、この雨が残念だ。
峠を下るとル・ポン Le Pontの集落に入っていく(右上の写真)。ジュー湖に突き当たって左折すると湖畔に小さなテラスがあったので路肩のスペースに車を停める。15:35到着、84.8km、22℃。
またいつ振り出すかわからないが、今は雨は止んでいる。ル・ポンは湖畔のリゾートらしく、何軒かホテルやレストランがあった。駅から大きな荷物を背負って歩いている若いグループもいた。ジュー湖 Lac de Jouxは北東から南西に細長く伸びた湖で、長さは約10kmほど。一方幅は狭くて1.2kmほどしかない。ここから長さ約30kmほどのジューの谷 Vallée de Jouxの始まりだ。
テラスでねこたと写真とビデオを撮る(上の写真)。途中で若いお兄ちゃんも車を停めてビデオで湖を撮影していった。15:43に出発。
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ル・ポンからル・ブラッシューへ向かう鉄道は湖の北岸を行くが、道路は湖畔をぐるっと回って湖の南岸を進む。右手に湖を眺めながらほぼ直線の道がしばらく続く(左上の写真)。
ジュー湖が途切れてしばらくするとスイス側最後の集落であるル・ブラッシュー Le Brassusに入っていく(右上の写真)。天気が悪いせいか、陰気な寂しい感じがした。
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ル・ブラッシューを出ると両側に牧草地が続く単調な道になる。ところどころ牛が放牧されているだけで、また振り出した雨が強くなってきて視界も利かない(左上の写真)。
ル・ブラッシューから6kmで国境地帯になる。まず森の向こうにスイス側の国境税関事務所が見えてくる。16:03通過、104.1km。係官は建物の中にいるだけだ。少し走ると今度はフランス側の国境税関事務所があるが、こちらも係官は姿を見せない。停まることなくフランスに入国(右上の写真)だ。
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フランス側最初のボワ・ダモン Bois-d'Amontの集落はスイス側と比べて少し生活レベルが低いように見受けられる。家も質素な感じだ。
ボワ・ダモンの先で右前方にまた湖が見えてくる。ルス湖 Lac des Roussesだ。堀淳一さんの「ライン川源流域紀行」にオルブ川の源流域として、またきれいなお花畑がある湖として紹介されている。
湖が見えなくなってしばらくすると前方に小さな集落が見えてくる。それが今日の目的地、ラ・キュール La Cureだった。集落に入る道は一方通行で、集落の手前で集落名の標識を写真に撮る(右上の写真)が、このときが一番強く雨が降っていた。
集落に入るとすぐにフランス側の国境税関事務所が見えてくる。道はその先で二股に分かれていて、左に行くとスイスの国境税関事務所があり、右はそのままフランス領を進む。雨が強くフランス側の係官は詰め所の中にいて窓を開けようともしない。少し離れたスイス側の係官はレインコートを着て外に立っているというのに・・・。
そのまま右の道を進むとすぐに左側に今日のホテル「アルベー・フランコ−スイス」があった。道路の向かい側が駐車場になっていた。16:19到着、116.5km、16℃。大雨の中、荷物は車に残したまま先にチェックインする。
ラ・キュール La Cure 受付に誰もいなかったのでベルを鳴らすと、右手のブラッセリーから若いお姉さんが出てきて応対してくれたが、ここでも英語が通じない。メールでやりとりした紙を見せるがわからないようで、そこへもう一人のお姉さんがやってきた。こちらのお姉さんは英語がわかるようで、メールの紙をみてすぐにルームキーを2つ取り出して「付いてきて。」と受付の隣の階段を上りはじめた。
案内されたのは2階の4号室と3階の11号室で、両方ともバス付きのダブルルームだった。2階の4号室の方はダブルベッドにシングルベッドもあったので、こちらをうちが使って、まこママに3階の11号室を使ってもらう。
19:00から夕食だというので、先にお風呂に入る。雨が弱くなったので、まこママはシャワーを浴びた後一人で先に散歩に行ったみたい。
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まこママが帰ってきたので、一緒にホテルの近くを散歩しに行く。18:25に部屋を出る。今度はスイス側の入口から外に出てみる。こちらにはフランス側と違って「ホテル・フランコ−スイス Hotel Franco-Suisse」と書いてある(左上の写真)。ホテルに向かって右手約50m先にはスイス側の国境税関事務所がある(右上の写真)。
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ホテルの前の道を税関事務所とは反対に歩いていくと可愛らしい木工品のお店があったがもう閉店している。さっきまこママが来た時はやっていたそうだ。小雨が降る中を引き返してホテルの前から「ポスト(郵便局) Poste」と書かれた矢印の方に歩いていくと広い駐車場の向こうにニヨン・サン・セルグ・モレ鉄道(NStCM:Nyon-St. Cergue-Morez)のラ・キュール駅が見える。
近づいてみると駐車場側の1階が郵便局になっていた。建物の裏側は駅で(左上の写真)、駅舎と郵便局が兼用になっている。2階には人も住んでいるようだ。ちょうど列車が到着するようで、ホームや駐車場にはお父さんの帰りを待つ家族連れなど、お迎えの人たちが何人かいた。
18:30を過ぎた頃、18:22到着予定のニヨン発182列車が到着して、静かな駅が少しだけ賑やかになった(右上の写真)。到着が遅れたので折り返し18:35発の189列車はすぐに出発していった。列車が行ってしまうとラ・キュール駅はまたもとの静けさに包まれていた。
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駅前の広い駐車場を突っ切って通りに出てみると、ちょうどスイス側の税関事務所とフランス側の税関事務所の中間のところだった。左手にスイス側の税関事務所、右目の前にフランス側の事務所と道路の中央に詰所がある(左上の写真)。
スイス側に立つ係官がじーっとこちらの動きを見ているので通りを渡らないで歩道を右手に行くとすぐ先にタバコの看板を出した小さなお店がある(右上の写真)。「ヴァンデル商店 Maison Vandelle」というフランスとスイスの国旗が付いた看板も出ていて、マルボロのマークの横には「Free Shop」と書いてある。ショーウィンドウにはちびたが歓ぶミニカーやおもちゃが飾ってあった。中に入ると所狭しといろいろなものが売られていて、お客さんが何人かいてタバコなどを買っていた。免税店というよりは田舎のよろず屋というほうがピッタリだ。
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お店を出てフランス税関詰所の写真を撮って、詰所の先で道を渡る。これでスイス領からフランス領に入ったわけだが、詰所の係官はこちらを見ても反応しない。そのままフランス側税関事務所の前を通ってフランス領内を歩いてスイス側税関事務所の前に(左上の写真)。スイス側係官は相変わらずこちらを見ているが何も言わない。
そのままフランス側の道を歩いてホテルに戻ってくる(右上の写真)。こちら側には「レストラン アルベー Restaurant Arbez」の看板が出ている。ブラッセリーもこちらがメインの入口で、同じ建物なのにスイス側とはまったく雰囲気が違う。
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ねこたとまこママはそのままホテルに入ろうとしていたが、建物の脇に国境の礎石があるのを思い出してブラッセリーの裏へ回ってみる。
薪が積まれて置いてある脇に国境の礎石があった。手前がフランス側(左上の写真)で、向こう側がスイス(右上の写真)だ。石の中央に赤い線で国境線が引かれていて、礎石には1863年と書いてあった。スイス側の入口からホテルに戻る。
ラ・キュールの夜 ![]()
18:45にいったん部屋に戻って、19:10に1階のレストランに行く。どこでも好きな席にどうぞと若いお姉さんに案内されて窓際の席に着く。このレストランも国境を跨いでいて、部屋の中央にあるカーテンのパーテーション部分がちょうど国境線になっていて(左上の写真)、テーブルの手前がフランスで向こう側がスイスだ。
夕べのようなことはなく、ハーフボード(デミ・ペンション)も問題なく伝わり、水と一緒に地元の白ワインのハーフボトルを頼む。出てきたワインはラ・キュールから約70kmほど北東にあるアルボワ Arbois近郊のメスネー Mesnay産のシャルドネ種のワインですっきりしていて美味しかった。
最初はグレープフルーツをお皿にして実と小さな魚の卵と合えたサラダ(右上の写真)で、下のお皿にもフランスとスイスの国旗が書かれていた。
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途中で給仕がお姉さんから男の人に代わる。この男の人は普通に英語が話せるようだ。メインは鶏肉のソテーにポテトスライスとグリーンピース、それにトマト添えで、とてもボリュームがある(左上の写真)。デザートはいろいろな木の実とアイスがワインゼリーに入ったもの(右上の写真)で、とても美味しく、ほとんど鶏肉を食べなかったちびたもこれだけはねこたに盛んにお代わりの催促をしていた。
食事の最中にも次々にお客がやってきていつのまにか周りのテーブルはすべて埋まっていた。他のお客もみんな同じものを食べていたのでみんなホテルの泊り客のようだった。先に食事を終えた隣のテーブルの家族連れも食事後には階段を上っていった。うちも20:35に部屋に戻る。
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雨が止んで夕陽が差しているが、寒がっているねこたはもう外には行きたくないというので、20:45に一人でカメラを持って散歩に出かける。フランス側から外に出て左手に歩いていく。ホテルから150mほどで集落が終わり、集落を迂回してきた国道N5号線に出る。N5号線はフォーシユ峠 Col de la Faucille 1,320mからジェー Gexを経由してジュネーヴに向かう。
国道の向こう側の集落の外れには大きなスポーツショップのような建物があった。引き返してホテルの前を通り過ぎて国境へ行ってみる。フランス側の税関(左の写真)もスイス側の税関(右上の写真)も時間が遅いので無人になっていた。
車も来ないのでわざと国境線を示すレンガの上を歩き免税店の前を通り過ぎて一方通行の道をジューの谷の方に向かって歩く。すぐに集落を出て集落の外を走るD415号線に出てしまう。左に曲がって少し歩き、集落へ入る一方通行の道から集落に戻って再び税関の前を通り過ぎてホテルに戻った。21:05に部屋に戻る。ちょうど夕陽が沈むところだった。明日は晴れるかな・・・。21:40就寝。
第10日目走行距離:116.5km
ラ・キュールの様子は別館の「ねこたとまこたの写真館」のラキュール特集でもっと詳しく大きな写真をご覧いただけますのでそちらにもどうぞお立ち寄りください。